あとがき
逆ハイブリッドデザインはいかがだったでしょうか?
CSSデザインでは難しいところを簡単にクリアできる手法だと感じてもらえたでしょうか?
では、「はじめに」で書いたメリットや考察を書きたいと思います。
逆ハイブリッドデザインのメリットとは?
逆ハイブリッドデザインのメリットの一つがfloatに悩まされないことです。 ブラウザーによってfloatの処理の仕方がバラバラな現状では非常に大きなメリットです。 CSSでは難しいところをテーブルで行うことで、以前の私のようにfloatのために3時間もスタイルシートと格闘する必要がなくなります。
そしてもう一つ、ソースの上下の入れ替えが可能なことです。実例を見たほうが早いので、次の2つのソースを見比べてみてください。
ソースの順番を入れ替えても表示が変わっていないのが分かるでしょうか? このソースを入れ替えても表示が崩れないのは大枠をCSSでデザインした場合のみに可能なことです。
勘の良い人ならすぐに気づくと思いますが、これはSEOに対してものすごい効果を発揮します。 googleなどの検索エンジンはソースの上のほうにある情報ほど重要視するからです。
このメリットは通常のハイブリッドデザインでは得ることができません。 大枠をテーブルで作ってしまった場合ソースの入れ替えは不可能だからです。 逆ハイブリッドデザインならではのメリットです。
逆ハイブリッドを解説する人がいないのはなぜか?
私が知る限りでは逆ハイブリッドを解説しているサイトはありませんでした。その理由を考えて見ましょう。
まずはテーブルデザインを教えている側から。
今のところ大多数の解説系サイトはこっち系ですね。スタイルシートも取り扱っているけど、
せいぜい背景の表示とか、リンクの色とかを変える程度。
進んでいるところでも見出しの装飾とかまでで、レイアウトにまで踏み込んでいるところはほとんどありません。
このような視点からCSSの利用を押し広げていくと極力テーブルを使わない方法に行き着くと思われます。 つまり通常のハイブリッドデザインですね。なにしろ全体のレイアウトをCSSでやってしまったら、 テーブルデザインがパァですから。
続いてCSSデザインを教えている側から。
そもそもCSSデザインの方法を教えるサイトが少ないのもありますが、
これらのサイトにほぼ共通して言えることが、「レイアウト目的にテーブルを使うのは良くない」と考えているところ。
そもそもレイアウトにこだわっていないサイトも多いです。
このようなサイトがCSSの解説をすると、すべてCSSでやろうとします。LV1やLV3みたいな感じですね。
で、余計な苦労をする羽目になると。
でも決してテーブルを使おうとはしません。なぜならそれが彼らのポリシーだから。
CSSデザイン派の人はテーブルを除去するのが目標なので、使おうとしないし、使うことを思いつきもしません。
私が思うに、解説できるほどCSSが使えない人と、解説はできるのにしたくない人しかいなかったのが、 いままで逆ハイブリッドの考え方が出てこなかった原因ではないかと。
逆ハイブリッドを広めましょ!
逆ハイブリッドはメリットに書いたように非常に有効なデザイン手法です。 CSSデザインの良さとテーブルデザインの良さを最高の形で組み合わせた手法だと思います。 CSSの持つ柔軟性とテーブルの持つ安定性を引き出し、CSSの問題点とテーブルの融通の利かなさを極力押さえ込む手法です。
個人サイトはもちろん、商用サイトでも十分通用するのではないでしょうか?
「逆ハイブリッドってちょっといいかも」って思った人はぜひ取り入れてみてください。
ゆくゆくは逆ハイブリッドを世界のスタンダードに!?